2011年4月23日土曜日

大東キャンプ記 その八 さらば残され島編

今日で最期。
午前中は東さんに車を貸して頂き、まだ行っていなかった「バリバリ岩」という所へ。
最後の最後で、見所としては一番の圧巻ポイント。
危うく行かないで帰っちまう所だった。
こんなとこ。




島全体が「生きてる」ことを物語る。
沖縄各地に存在するパワースポットの中でも、恐るべきエネルギーに満ちている。
天まで延びる固有亜種「ダイトウビロウ」にガジュマルの根が絡み付く。
畑を挟んで存在する地底湖でも、(ナウシカの)腐海みたいだなぁ、と思ったのだが、ここでも近い事を思った。
宮崎駿ワールドは決して別世界じゃないパラレルワールドなんだと、設定の妙と自然の凄さを感じた。


帰り道、気になっていた土を採取した。
畑の土は農家の人も扱い難いそうで、妙に艶がある。
粘土では?と睨んだのだ。
畑の土と池端の土を採る。
「島まるごと館」へと戻り早速水を混ぜ、捏ねてみると案の定粘土!









しかも本島の赤土なんかよりよほど粘りが強い。
焼いてみない事には分からないが、これはもしかするともしかするぞ、という事になり、再訪して焼いてみましょう、という事になった。
ついては東さんのご協力で教育委員会にある電気窯を貸してもらえないかと掛け合って頂く事に。
で、それなりに好感触だというお話を先日メールで頂いた。
というわけで来月の半ばに再び南大東へ試験をしに行ってくることに。
これでばっちり焼けた所で、じゃあ南大東で開窯しましょう!って話ではないにしても新たな文化、産業の可能性は広がる。

焼物の話だけではないのだが、入植してからまだたったの百余年。
確固とした文化も社会も存在しない。
産業も何となく皆でサトウキビを作っている感じだ。
土質や気候が本島にサトウキビが向いているのかという精査もされていないはず。
なんせ沖縄でも雨が極端に少ないのだから。
雨が少ないのなら地中海性の農作物や、牧畜も面白そうだ。
牧畜に関しては早急に必要が迫られている。
というのも化学肥料に頼った自然と無循環なサトウキビの単作をし続けてきたせいで土がかなり痩せてきている。
島外から農家の方が訪れて驚くのは、その堆肥として不可欠になる牛を飼っている家がない事だという。
太陽エネルギ—海水を淡水化—塩・にがり、のような自然エネルギーによる循環モデルを見習って欲しいものだ。
まあなんと言っても一番の問題は、島民の島に対する愛が薄く、その自然を大切に扱っていないこと。
その啓蒙活動として「島まるごと館(ビジターセンター)」を整備し、子供達に学校教育では出来ない体感型の自然教育をさせる東さんの視点はさすがであったと思う。
そこから始めなくてはならないもどかしさと、まだそこから始められるやりがいに僕個人としては大きな魅力を感じる。
そして故郷、越谷を思った。
やれる事があるとしたら、と考えた。
大東の島国根性=フロンティアスピリッツで10年後の南北大東島が活気溢れる愛されてやまない島になるよう、心より願っている。

<大東犬。島の面積が小さくあまり歩かないため島の犬はみな足が短くなったという。ペットとしての固有亜種という珍奇な例。ここでダックスフントを飼ったらどんだけ短くなるだろか・・・。とにかくみんな短足でプリチー!!>




最期に。
旅の日記ではあるけれども多分に日本全体の現状に置き換えられる話があるはずです。
ヒントがたくさんあるはずです。
みなさん、一生懸命生きていると思うんです。
なんせ生きるだけで大変な時代です。
とか言ってる間に天災があれば万余の人命が一瞬で消し去られます。
そして利害でしか動けない無能な組織のせいで、さらに多くの人が幾世代に渡ってこれからも苦しむ事になってしまいました。
でも、だから、ちょっと時間を持って欲しい。
考える時間を作って欲しい。
その「一生懸命」、正しい方向に向かってますか?
信じてた方向に向かってますか?
胸を張ってその方向で死ねると言えますか?
旅に出ろなんて言いません。
自問自答を止めないで欲しい。
十代の頃、嫌というほど悩んで決めた道です。
誇りを持って生きている事でしょう。
でも盲目にならないで欲しい。
常に世界は変わり続けている。
知らない世界は山とある。
世界の広さはその人が「規定した世界」に他ならない。
これを読んでくれている皆様、どうか結論を焦らないで下さい。
そしてどうにか暇ができたならめくるめく旅の感動を味わって欲しいと願っています。
僕は僕に出来る事を、僕の幸せを、求める旅を続けます。


Special Thanks to
北大東島/キャンプの心配をしてくれた役場のナカヨシさん/魚市場で肝の刺身をくれた海人のおじさん/スナック「みなと」で奢って頂いた宮城ヨシタカさん/居酒屋「村おこし」、スナック「ブリーズ」で奢って頂いた金城さん兄弟/「ブリーズ」のママとハナちゃん/港湾の仲宗根さん
南大東島/居酒屋「ちょうちん」でピザをおごってくれた兄々/南大東Dongosabowsの三人衆(東和明さん、奥山さん、小浜さん)/東静香さん


来週は八重山と宮古に二週間出かけてきます!!!
出来れば旅先でブログ更新したいけど、無理かなぁ・・・。

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