石垣島より飛行機で宮古島へと向かいます。
台風も近づきつつあり空港を出るとあいにくの雨。
校長先生をこの春退職されたコウエイおじさんのお家にお邪魔する。
翌日も天気は思わしくなく、晴れたり曇ったり。
これ以上台風が近づくと欠航もあり得る、と思い朝一で大神島へ向かう。
大神島の祭は島民以外見る事は許されない。
その祭を取り仕切るノロは長女が受け継ぐ。
島民以外が盗み見ているのが見つかった場合、その口封じに手段を選ばない、という噂がある。
また、海賊の財宝が眠るという伝説まである。
島全体が非常に妙な緊張感に満ちている。
<さすがに神の島のヤドカリは紫色>
<蛇口だって上向いちゃう。ありがたや。>
<空き缶は大地に飲み込まれる。>
<弧を描くように沈む岩石。不思議な場所。>
帰る直前、港にいた島のおじさんに話を聞いた。
この島の小学校は四年前、廃校になった。
学校がなければ育てられないので島に子供はいなく、最年少者が40代。
空っぽの校舎はまだ集落の入り口にあったが、それも近々取り壊されるという。
そうしたら全部終わりだね、愛想良く話してくれていたが、その表情にはやりきれない悲しさが滲んでいた。
神を作るのも伝統を生み出すのもそれらを打ち壊すのも人間の仕業だ。
だから仕方がない。
でももう少しゆっくりでもいいのではないか。
数百年、数千年かけて少しずつ積み重ねられてきたものがあっという間に崩れ去る。
ビーチに作られた砂の山が波に洗われるように。
それはほんの一瞬です。
今、ちょうど、その刹那がこの島に存在しています。
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